tarobee8のブログ(戯言)

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プーチンはグローバリストのスパイではない

プーチンはにグローバリストのスパイではない。

 

プーチンはどっちの側なのか?】
 ロシア大統領のプーチンは、西側DSと戦っているように見えるけれども、実は同じ仲間で、結局グレートリセットに向かっているのだという話は、これまでも何度か出ていた。プーチン世界経済フォーラムに行ってクラウス・シュワブと握手をしていたとか、彼もシュワブのヤンググローバルリーダーの一人だとかいう話が拡散されたりもしていた。
グローバル企業の支配と戦っていると思っていたグループのリーダーが、実はDSの工作員だったというようなことは、これまでもさんざん経験してきたことだから、そういう疑いが出るのも理解できる。だけど、プーチンはそういう工作員とはまるきり違うオーラを放っているように思えるし、ちょっと人の心理を読み取る目があったら、あれはとても演技で言える言葉でもないし、演技でできる表情でもないんじゃないかと私は思う。
ところが、ドイツの経済アナリストのエルンスト・ヴォルフも、プーチンもニューワールドオーダーと同じ方向に世界を向かわせようとしているのだということを言っていて、私は少しがっかりしていた。エルンスト・ヴォルフは金融業界のことにくわしくて、とても適確な分析をする人だと思うのだけれど、プーチンのロシアが西側DSに対してどう立ち回っているかについては、表面的なところしか見ていないのではないかという気がした。
すると、ロシアに住むドイツ人ジャーナリストのトーマス・レーパーが、8月25日に出した「プーチンはシュワブの世界経済フォーラムと同じ船に乗っているのか?」と題した記事で、まさに私が疑問に思っていたことを明解に答えてくれていたのだ。
私はトーマス・レーパーを、ドンバスの状況を現場から報道しているジャーナリストとして知っていただけなのだけれど、実は彼はもともと金融関係に長くいた人で、経済のことは裏の裏まで知っていた。そして、お金の流れという観点から、プーチンのロシアの状況について解説していた。
プーチンもシュワブの仲間だという説の一つの根拠になっているのは、ロシアの政治の重鎮であるゲルマン・グレフが、世界経済フォーラムの主要メンバーでもあるということだった。しかし、グレフは他の世界経済フォーラムのメンバーと違って、西側の資本家を後ろ盾にしているわけではないので、状況がまるきり違うとトーマス・レーパーは言っていた。グレフは、世界経済フォーラムでロシアも発言権を持てるように入っていたのだろうし、そうすることで西側資本家たちの動向を知っていたいと思うのは当然のことだろうと。
エルンスト・ヴォルフは、ブラックロックヴァンガードのようなグローバル資産運用会社が主導権を握っているものとして考えているのだけれど、資産運用会社も結局は大型株主の意向で動いているわけだから、主導権を持っているわけではないのだとトーマス・レーパーは書いていた。実際、お金の流れを見ていくと、西側諸国のいたるところに流れているお金は、つきつめればブラックロックヴァンガードのような資産運用会社から来ていることがわかるので、こうした運用会社が世界支配のカギを握っているのだと思えるのも無理はない。
ところで、20世紀の初めまで石油の取引を独占していたロックフェラー財団は、それから分裂して、石油市場の独占を失ったことになっているのだけれど、これは見かけだけのことにすぎなかったとトーマス・レーパーは言う。分裂によって34のコンツェルンができたのだけれど、そのすべてはやはりロックフェラー一族の所有だった。つまり、そうやって分割していくことで、実はすべてを独占しているという事実を巧妙に隠していたのだ。それで、あたかも自由競争が行われているように見せながら、その実はロックフェラーがすべてを独占して思うように動かしていたというわけなのだ。そうやって影でロックフェラーが所有している企業の中には、ごく小さな規模のものが無数にあり、こうした企業は公表されもしていない。だから、ロックフェラー一族が、実際にどれだけの資産を持っているのかをつかむことはほとんど不可能だという。
そして、そうした資産のすべてを、ブラックロックヴァンガードのような資産運用会社が動かしているわけなのだ。つまり、世界を動かしているかに見えているブラックロックヴァンガードは、実はロックフェラー一族に動かされているということになる。西側のメディアも政府も保健機関、医療機関も、ブラックロックヴァンガードから流れてくるお金で操られているわけなので、つまりはロックフェラー一族がすべてを影で操っているということになる。シュワブの世界経済フォーラムグレートリセットも、その傘下にある。だけど、プーチンもゲルマン・グレフも、その傘下にある資産家を後ろ盾にしてはいない。だから、たとえ世界経済フォーラムのメンバーになっていても、その影響下にあるわけではないのだという。
もう一つの根拠は、プーチン世界経済フォーラムのヤンググローバルリーダーの一人だということだった。しかしこれについては、まったくの事実無根だったことがわかった。ヤンググローバルリーダーは、すべて世界経済フォーラムのリストに出ているけれど、プーチンの名前はどこにも出ていない。それなのにヤンググローバルリーダーだという話が拡散されたのは、シュワブがあるスピーチで、「メルケルやブレア、プーチンのような若いグローバルリーダーたちが」と言ったことから来ていたらしい。プーチンもロシア首相として出てきた当初は40代の若さだったわけなので、若いリーダーだった。そこから、プーチンもヤンググローバルリーダーの一人だという風に誤解されたということだったらしい。
エルンスト・ヴォルフが、ロシアもグレートリセットに向かっているという根拠にしているのは、ロシアもディジタル通貨を進めているからということだった。しかし、グレートリセットで進めようとしているディジタル通貨には、何の裏付けもなく、無制限に増やすことができる上、現金が使えなくなるというものだ。これだと、国家は誰がいつ何にお金を使ったかをすべて管理することができ、しかもいつでも特定の個人のお金を使えなくしてしまうことができる。ディジタルIDによって国家が全国民を完全管理するという悪夢に直結しているわけだ。
ところが、ロシアが進めているディジタル通貨はそういったものではないと、トーマス・レーパーはいう。まず第一に金や石油などで裏付けがしてあるので、無制限に増やすことができないし、第二にはディジタル通貨の一方では、現金取引は無制限に行えるようになっている。ロシアでは現金取引が盛んに行われていて、不動産を買うのにもトランクいっぱいの現金で支払う人がいるのだそうだ。いずれにしても、グレートリセットのような、ディジタルIDとの紐付けで完全管理が可能なシステムとは違う。
ところで、決定的な違いは、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)についてだった。PPPは、政府がNGOと提携して、行政サービスを行うというシステムなのだけれど、まさにこのシステムによって私企業が税金をいいように引き出して、政治を操るという状況が生まれている。ゲイツ財団などがそのいい例なのだけれど、資産家が慈善事業ということで、あるプロジェクトを企画して資金を出すと、政府がそれに提携する形で、何倍もの補助金を税金から出す。するとその慈善家は、自分が所有する企業に製品を注文して、それをその慈善事業に使うという仕組みなのだ。それで、慈善事業と言いながら、実のところは何倍もの儲けになっている。そのお金で政治家を買収したり脅したり、それどころか選挙不正で工作員を政治家に据えたりといったことまでする。そうやって支配力を増した慈善家たちが、メディアも政府もすべて思うように動かせるような状況を作ってきたのが、2年半前に始まった奇妙なパンデミックの背景にあったわけだ。
ところで、このPPPをやっているのは、いわゆる西側諸国だけだというのだ。ロシアも中国もこうしたシステムを使っていない。ロシアや中国、イラン、ベネズエラといった国は、西側から目の敵にされているけれど、こうした国々に共通しているのは、西側のNGOを拒否していることだという。
そう聞いてピンと来るのは、ロシアも中国もゲイツ財団が投資した薬剤を使っておらず、独自のものを開発していたということだ。あれこそはまさにPPPによる巨額の利権であり、メディアと政府が連携したパンデミックの演出は、まさにそのために行われたとも言える。その中で、ロシアや中国はそこに与することを拒否していたわけなのだ。
プーチンはこれまでもこうした西側の腐敗を口にしてきたけれど、8月16日のモスクワ安全保障会議でのスピーチでは、もはや歯に絹着せぬ辛辣さで批判しているとトーマス・レーパーは言っていた。西側諸国では、国を動かしているのは民主的に選ばれた政治家ではなく、グローバルエリートであり、超国家的なエリートたちが、全世界を寄生虫のように吸い取ろうとしているのだ、とまで言っていたそうだ。
プーチンのロシアは、西側グローバルエリートの世界一極支配と戦い続けてきたのだけれど、そのことからしても、その戦いはもう終盤に来ていることがわかるとトーマス・レーパーは言う。ロシアは、西側グローバリストに対抗して、多極的な世界秩序を作ろうと戦ってきていて、ロシアが西側に攻撃される本当の理由は実はそこにある。しかし今、プーチンのモスクワ安全保障会議でのスピーチにしても、ロシアのさまざまな領域のエキスパートやテレビ番組での話でも、もはや誰も遠回しな言い方をせず、はっきりと西側の一極支配を批判し、多極的な世界構想について語っているという。
私たちが西側メディアに翻弄されて、ウクライナの戦争はロシアが悪いのかどうかとか、プーチンもシュワブの仲間なのかどうかとかと迷っている間に、ロシアは西側グローバリストの一極支配を崩壊させて、多極化世界のネットワークをすでに作り始めていたのだ。西側諸国がロシアを目の敵にして、ありとある嫌がらせを加えていたのは、まさにそれゆえだったらしい。それを考えるならば、絶望的にさえ見えるこの一極支配の状況も、もう見せかけだけのことなのかもしれない。
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画像は、8月16日のモスクワ安全保障会議でスピーチするプーチン大統領
トーマス・レーパーの記事(ドイツ語)
8月16日のモスクワ安全保障会議のスピーチ(英語翻訳全文)