tarobee8のブログ(戯言)

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人口減少で日本は衰退するはウソ

2022年3月9日

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ルネサンスのメルマガより


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“2015年時点において
1億2,700万人を数えた日本の総人口が、40年後には9,000万人を下回り、100年も経たぬうちに5,000万人ほどに減る...

こんなに急激に人口が減るのは世界史において類例がない。
われわれは、長い歴史にあって極めて特異な時代を生きているのである。”


これは、シリーズ累計“88万部”突破。

2017年に発売し、大ヒットした「未来の年表」人口減少日本でこれから起きること(河合 雅司 著)の、本文にある記述です。

・人口減少で、日本の衰退は避けられない… 

・人口が減ると、国民が貧しくなる…

・それを防ぐには、移民を受け入れるしかない

この本だけでなく、大手マスコミでも、このような主張が盛んに伝えられています。

しかし、、“この記述はきわめて一面的。実は、「人口減少で日本は衰退する」という主張は、事実を見れば“間違い”であること。

それよりも、他にある真の問題を考えずに「人口が減る」というだけで、暗い未来を予想してしまうのは“思考停止”です。”

こう警鐘を鳴らすのが、「国際派日本人養成講座」編集長
大手メーカーの常務執行役員筑波大学の非常勤講師を歴任した伊勢 雅臣先生です。

ルネサンスの最新号より、伊勢先生の記事を抜粋し、特別に公開します…


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よく問題解決には「川を上れ、海を渡れ」と言われますが、

(※川=歴史を遡って、長い時間軸で見ること 海=自国だけでなく、海外の事例と比較すること)

まず人口問題の川を上って、過去からの推移を見てみましょう。



上図を見れば、人口急減の前に、人口急増という、日本の歴史でも「きわめて特異な時代」があったことが分かります。

明治維新以前から、わずか150年ほどで9,000万人以上も人口が増えたのです。

この急激な人口増を乗り越える方策の一つとして、我が国は移民政策をとりました。

しかし米国西海岸で起きた日系移民排斥が日米対立の遠因となりました。

また、満洲移民は終戦時、ソ連軍の蹂躙により筆舌に尽くしがたい苦難を経験しました。

戦後はアメリカ支配の自由貿易体制のもとで、我が国は輸出入に依存した高度成長により人口急増を吸収できました。

しかし、その結果、国土の収容可能人口を大きく超えて、現在ではエネルギー自給率、食料自給率ともきわめて低い、
いびつで脆弱な国家経済を築いてしまったのです。

ご存知の通り、昨今も原油価格上昇が日本経済への大きな脅威として現れています。

食品も米国産輸入牛肉が昨年秋の2倍くらいになるなど、価格高騰が続いています。

輸入に大きく依存するこ とで、グローバルな気候、需給、価格の変動が国内供給を直撃する脆弱な体制になっているのです。

これらのリスク克服を国策として進める必要がありますが、実は長期的に見れば、人口が適正レベルに戻ることは、この問題解決を容易にしてくれます。

長期的な人口減少を背景として、より身の丈に合った、持続可能で安心安全な国家経済のビジョンを描いていかなければなりません。

“人口減少”という表面的な現象だけですぐに「大変だ!」と騒ぐような浅薄な思考力では、安心安全な未来は描けないのです。


*人口減少問題で「海を渡る」

すなわち海外と比較しても「未来の年表」の記述の一面性が見えてきます。



上図はOECD加盟国で人口規模の大きいトップ10カ国の人口と人口密度を比較したものです。

日本は先進国中、第2位の人口大国ですが、、実は、同時に人口密度でも第2位となっています。

韓国の異常な人口密度の大きさ。国土の広いアメリカの低い人口密度は別として、冷静に比較をしてみれば、本来、我が国はドイツ、フランス、イギリス、
イタリアなどの欧州先進国と同程度の人口密度が望ましいと考えられます。

欧州先進国並みの200人台が適正な水準と考えると、人口規模は現在の3分の2。すなわち8,000万人規模となります。

「未来の年表」では・・“40年後には9,000万人を下回り…”と、脅しますが、、世界水準から見ればそこで初めて、適正規模に近づくということなのです。

では、、「川を上れ、海を渡れ」の原則で、冷静な思考力を取り戻したところで、人口減少の影に隠れた日本の本当の問題と、その解決策を考えていきましょう…

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引用終了
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