ロシアのラブロフ外相
【多極性の封印が解ける】
現代医学では、ウィルスや細菌が病気の原因だとされているのだけれど、ウィルスや微生物環境は、実は免疫システムの要であったりする。感染症というものは、ある一つの細菌やウィルスが異常繁殖することによって起こるのだけれど、身体の中には通常、多様なウィルスや微生物が共生していて、そのバランスが取れている場合、一種類の微生物だけが異常繁殖するというようなことは起こらない。
ところが、このところロシアから多様性とか多極化とかいう言葉をよく聞くようになり、ロシアの概念が変わってきた。オリバー・ストーンのインタビューで、プーチンはロシアでは人はそれぞれ自由に生きられるんだと言っていた。ロシアでは、たとえば誰かがゲイだとしても、それで相手を差別したりはしないし、そもそも人がそれぞれプライベートな領域で何をしてようが、そんなことは気にしないのだと言うのだ。これと同じようなことは、トーマス・レーパーも言っていた。たとえばロシア人は、彼がドイツ人だからといって、ナチだとかいう偏見を持ったりはしない。国がやったこととその国民は違うんだし、どうしてそんなことを気にするのかと言うのだそうだ。
プーチンは、オリバー・ストーンのインタビューの中で、経済を安定させることが大事で、経済さえ安定していれば、人々は互いに争ったりはしないものなのだと言っていた。私たちは、民族やら階級やら性別やら、思想信条の違いなどで、人は互いに争い合うものだと思い込んでいるようなところがあるのだけれど、あるいはそれも、何かを悪者にして封印支配しようとする意図が働いていたからそうなっていただけのことだったのかもしれない。もしそんな風な悪意で駆り立てられず、それなりに経済が安定して飢えることもなかったら、私たち人間は自然に平和共存しようとする生き物なのかもしれない。ロシアが現実に、ものすごい多民族国家でありながら、民族間の衝突が起きていないということは、そのことを世界に示しているように思える。だからこそ、一極支配を目指す人々は、ロシアを封じ込めておかなければと思うのかもしれない。
生物学でも、産業革命のイギリスでは、生存競争による淘汰とか進化論といった考え方で研究が行われていた一方で、ロシアでは共生関係についての研究が進んでいた。生物の営みを微生物レベル、遺伝子レベルで見ていくと、一見生き物は互いに争い合って生きているように見えても、実は共生関係で生きていることがわかってくる。植物は地中微生物で互いに交流し合って、警告し合ったり、養分を分け合ったりさえしているのだそうだ。私たち人間の身体の中にも、実はたくさんの微生物が共生していて、微生物の助けなしには消化吸収さえできないくらいだったりする。
生き物の営みが実のところ共生関係で成り立っていることがわかると、たがいに恐れる必要もなくなるわけで、そうなると争う必要もなく、必然的にお金とか医療とか武器とかそういったものに依存する必要もなくなってくる。ところで、グレートリセットが目指す一極支配は、まさにその逆のものを作り出そうとしているわけだ。つまり、誰もがあらゆるものを恐れて、孤立したあげく、国家サービスに依存している状態をだ。
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画像は、ラブロフ外相の4月ごろのスピーチ