ロシア在住28年の北野氏がロシア優勢の世論を否定すする発言を続けています。ムスク和国際関係大学卒業で、大統領顧問の経験もある北野氏はどう反論するのか?
私は一方的な情報はあまり信用していないので、北野氏の圧倒的な不利な立場からの情報を見守って来ました。ロシアは中国の属国になって、地政学的な失敗もしているというのは説得力があります。ただし、情勢が流動的なので、有力な情報なのかはよく分かりません。穏便に解決が出来る事を祈っています。
裏】RPEJournal=======================================
【裏】ロシア政治経済ジャーナル No.137
2023/5/19
=======================================================
プーチンが今もっとも言われたくない言葉は、なんでしょうか?
詳細は【本文】で!↓
↓
==================
◆ 60秒で不老長寿になる科学
==================
年は、とりたくないものです。
小さい字は見えなくなるし(老眼)、
油断するとすぐ太るし、
足はカクカクするし、
階段昇ったら息切れするし・・・。
まあ、それはよしとしましょう。
ですが、
となると、もう洒落になりません。
どうすればいいのでしょうか?
エイベックスやLDH(EXILE等)、
ソフトバンクホークスなどのケアを行う
クリニックの統括院長 吉田信一先生が、
@@60秒で若返る科学的な方法
を教えてくださるそうです。
健康でいつまでも若々しくいたい方は、
いますぐこちらの情報を入手してください。
↓
https://icckame.com/lp/64844/949160/
▼本文へ
========================================================
★プーチンが今一番いわれたくない言葉とは?
全世界の裏RPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
4月、フランスのマクロン大統領が失言しました。
中央日報4月12日。
<9日、帰国の途についたマクロン大統領は空軍1号機で
行ったメディアインタビューで「欧州人は『台湾の(危機
の)高まりが我々の利益だろうか』という質問に答える
必要がある。正解は『ノー』だ」と話した。>
ーー
マクロンさんは、中国で大歓迎された。
それで、中国からフランスに戻る飛行機の中で、この発言
をしたのです。
意味は、「欧州は、台湾問題と関係ないね!」ということ。
この発言で、マクロンさんは、大いに批判されました。
しかし、今月彼は、「興味深い発言」をしています。
何でしょうか?
AFP=時事 5月16日。
<マクロン氏は14日付の仏紙ロピニオン(L'Opinion)に掲
載されたインタビューで、ロシアはウクライナ侵攻により
国際的に孤立し、
「中国の属国に成り下がった」
「(ロシアは既に)地政学的には敗北した」
との見解を示していた。>
ーー
「(ロシアは)中国の属国に成り下がった」
「(ロシアは既に)地政学的には敗北した」
この二つ、私が普段からいっていることです。
▼中国の属国になったロシア
まず、
「(ロシアは)中国の属国に成り下がった」
について。
ウクライナ侵攻によって、ロシアと欧米の関係が分断され
ました。
プーチンは侵攻前、「欧州は、ロシアに原油、天然ガスを
依存している。強い制裁を打ち出せるはずがない!」と確
信していた。
しかし、ウクライナに侵攻した後、欧州は徐々にロシアの
原油、天然ガス、石炭を買わなくなったのです。
もっともわかりやすい例は、ドイツです。
欧州最強国家ドイツは、侵攻前まで天然ガスの55%をロシ
アから輸入していました。
ところが1年後、ドイツのロシア依存度はほぼゼロになっ
たのです。
BBC1月19日。
<ドイツのクリスティアン・リントナー財務相は18日、
エネルギー供給について、もはやロシアからの輸入には
依存していないとBBCに語った。>
ーー
欧州にエネルギーを売れなくなったロシア。
しかたないので、対欧州分を、主に中国、インドに売る
ようになりました。
しかし・・・。
考えてみてください。
中国もインドも、侵攻前まで原油、天然ガスで困ってい
たわけではありません。
ロシア以外の国々から輸入して、問題なくまわっていた
のです。
ロシアは、後から割り込んで中国、インド市場に入って
いく。
どうすれば、中国、インドは買ってくれるでしょうか?
そう、「大幅な割引」です。
ロシアは、中国インドに、原油を1バレル30ドルの割引
(!)で売らなければならない状態なのです。
日経新聞 4月10日。
<ロシア産原油の指標であるウラルの価格は欧州の指標
(北海ブレント原油)を大きく下回って推移している。
3月のブレント価格は1バレル78ドル超で、ウラル原油
(48ドル弱)の値引き幅は30ドルを超えた。>
ーー
さらに、ロシアは、SWIFTから除外された。
仕方なく、ロシアは、中国版SWIFTと呼ばれるCIPSを使う
ようになりました。
要するにロシアは、ドル圏、ユーロ圏から強制排除させら
れ「人民元圏」に組み込まれたのです。
ロシアは中国に、資源を激安で、しかも人民元で売る。
受け取った人民元をロシアはどうするのでしょうか?
そう、日本、欧米製品は買えないので、中国製品を買うの
です。
どうでしょう。
実際ロシアは、中国の属国になっています。
マクロンさんの主張は、完全に正しいのです。
▼地政学的に敗北したロシア
次に、
「(ロシアは既に)地政学的には敗北した」
について。
これ、私は、ロシアがウクライナに侵攻する前から、
「侵攻したら、ロシアの戦略的敗北は不可避」
と主張してきました。
今実際、そうなっています。
ロシアは、中国の属国になった。
ウクライナ侵攻前、少なくともロシアは、「旧ソ連圏の盟
主」でした。
しかし、現在の旧ソ連圏を見てみると?
カザフスタン、アルメニアは、ロシア主導の軍事同盟CST
Oからの離脱を検討している。
中央アジア諸国は、ロシアを見捨てて、中国の影響圏に入
っている。
アゼルバイジャンは、ロシアよりトルコと仲良くしている。
そう、ウクライナ侵攻で影響力を失ったロシアは、もはや
「旧ソ連圏の盟主」ではなくなったのです。
さらに、フィンランドがNATOに加盟し、スウェーデンが
後に続こうとしている。
プーチンは、NATO拡大を阻止するためにウクライナを攻
め、むしろNATOを拡大させてしまった。
これらのファクター見るに、ロシアが戦略的に(マクロン
さん的にいうと地政学的に)敗北しているのは明らかでし
ょう。
▼「戦略的パートナー」の実際
さて、マクロンさんの「ロシアは、中国の属国」発言。
ロシアは、どういうリアクションだったのでしょうか?
<ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)は15日、ロシア
はウクライナ侵攻の結果、中国の属国に成り下がったとエ
マニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領が発
言したのを受け、「完全な誤解」だと非難した。
ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は
記者団に、
「断固として異議を唱える。わが国の対中関係は特別な
戦略的パートナーシップの性格を有する」
「(マクロン氏発言は)現状を完全に誤解している」
と語った。>
ーー
ですが、ペスコフ報道官も、
「ウクライナ侵攻のせいで、ロシアは中国の属国に成り下
がった」
と知っていることでしょう。
そういえば、ロシア軍が苦戦している理由は、武器弾薬が
不足しているからです。
「BBC NEWS JAPAN」3月6日。
<イギリス国防省は5日、ウクライナ侵攻を続けるロシア
の予備役が、弾薬不足のために「シャベル」を使って「
接近戦」を行っている可能性が高いとの見方を示した。
英国防省の最新のアップデートによると、ロシアの予備役
が2月下旬、「『銃器とシャベル』のみで武装して」ウク
ライナの陣地を攻撃するよう命じられたと述べたという >
――
それで、プーチンは3月20日、21日、習近平と会談した際、
「武器弾薬を送ってくれ!」と懇願した。
ところが、欧米から制裁されたくない習近平は、プーチン
の依頼を断りました。
中国から弾薬は、入ってきていない。
たとえば、民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン
は5月5日、
「弾薬はどこだ!!!!」
と絶叫する動画を投稿しています。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=NPb-Z3dPk80&t=83s
(@50秒ぐらいから)
これ、ペスコフがいうように、中ロが
「戦略的パートナー」
なら、弾薬を送ることでしょう。
しかし、中国は、「ロシアのために日本、欧米との関係を
悪化させたくない。制裁されたくない」と考えている。
要するに、ロシアは中国に、
「原油と天然ガスを、人民元で、激安で売ってくれればそ
れでいい」と。
これのどこが、「戦略的パートナーシップ」なのでしょう
か?
中国は、
・弱くて貧しくて中国に完全依存しているロシア
を必要としているのです。
別の言葉で、
・属国としてのロシア
を必要としている。
しかし、同時に中国は、
「ロシア政治の安定」
も願っています。
というのは、クーデターが起こってプーチンが失脚し、
親欧米の大統領が誕生したら困りますから。
いずれにしても、ウクライナ侵攻でロシアは、中国の属国
に落ちました。
中国は、ウクライナ侵攻で一番の勝ち組です。
ですが、そんな中国も、国内問題が山積みで、
「だからこれからも繁栄しつづける」
とならないのが、興味深いところです。
●PS
北野の新刊が出ています。
「これを読んで、最近流行りの陰謀論から解放されました!」
など、感謝のメールをいただいております。
「証拠あり」なのに衝撃の裏話を知りたい方は、こちらをご
一読ください。
●黒化する世界~民主主義は生き残れるのか?
●●●北野自身の解説動画も参考にしてください。
↓
https://www.youtube.com/watch?v=ztbH6IP4uxM
●●●元陸将・渡部 悦和先生の書評はこちら。
↓
https://rpejournal.com/review_watanabe_yoshikazu.html
=======================================================
○メールマガジン「【裏】ロシア政治経済ジャーナル」
発行者 北野 幸伯
Copyright (C)RPE JournalAll Rights Reserved. 358
=====================================