tarobee8のブログ(戯言)

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ロシアはグローバルエリートという共産主義と戦っている

Chihiro Sato-Schuhさんの投稿より

グローバル化という名の共産主義
ウクライナの戦争が始まってから、「ロシアは共産主義だから恐ろしい」という思い込みがいかに強いかを思い知らされた。
実際には、ソビエト連邦はすでに崩壊して、東西の冷戦は終わり、ソビエト時代の国営企業は私営化され、ロシアはもはや国家共産主義のシステムで動いてはいない。それなのに、「ロシアは共産主義だ」というしみついた概念を変えることができないのだ。ソ連崩壊後のロシアに現れたオリガルヒたちのことだって、さんざん聞いているはずなのに。
ところで、ここで言っている共産主義とは、カール・マルクスが言っている共産主義とは別なものだ。マルクスが言ったのは、資本主義が成熟し切ったときに、社会が豊かになり、労働者階級が力を持つようになって、必然的に資本家との格差がなくなっていって、労働者が主権を持つ社会に変わっていくということを言っていた。つまり、生産手段を持っている方が持っていない雇用者を支配するという世の中ではなくなるということ。すべての人が自立的に主権を持っている社会のことだ。
「ロシアは共産主義だから恐ろしい」といっているその共産主義は、それとはまったく別のものだ。かつてのソビエト連邦みたいに、国家がすべての生産手段を保有して、統一管理していた社会のことを言っている。すべての人が主権を持つマルクス共産主義とは正反対に、国家がすべてを所有している社会。国民は自分では土地も工場もお店も持っていないので、国家に依存するしかないわけだ。それで結局のところ、国家を動かしている一部のエリートが、国民すべてを支配しているようなことになっているのが、普通に言われている共産主義だ。
それまで私たちは、いわゆる西側諸国は共産主義ではなくて自由経済の社会なのだから、民主的で自由があり、人権が保証されているのだと思っていた。ところが、ここ20年くらいで急速にグローバル化が進んできたら、どうも様子が変わってきた。
グローバル化ということで、国内の経済を保護する政策を変えて、どこの国からも製品が自由に入るようになっていった。その結果、労働力の安い国に工場が移動し、地場産業がどんどんつぶれていった。安い商品が大量に入ってくるようになる一方、個人商店はつぶれて、グローバル企業が経営するチェーン店ばかりになっていった。それまで自分の店、自分の工場を持ってやっていた人たちも、グローバル・チェーンの従業員になっていった。
そうやって多くの人が、それまで持っていた生産手段を失ってしまったのだ。それまでは、それぞれの個性で、自由にやっていたのが、グローバル企業の方針通りにやるしかなくなった。
2年前にパンデミックが始まってからは、このグローバル化がいよいよ人々の人権まで奪い始めているのを感じた。どの国もどの政府もどの政党もどのメディアも、同じ一つの見解を持って、同じ対策を支持していたのだ。これはいくら何でもおかしいと思ったら、どのメディアもどの政府機関も、皆同じグローバル・エリートたちに投資を受けていることがわかった。
つまり、政府もメディアも政党も、グローバル・エリートの所有物のようになっていたのだ。彼らの指示に従わないと、資金を引き上げられてしまう。引き上げられたら、経営していけない。政治家たちは選挙資金がなくなってしまうし、政党の幹部は、すげ替えられてしまう。
そうやって、いつの間にか上から下までグローバル・エリートの所有物みたいになっていて、何も自分では決められなくなっていた。それで、世界中の政府がまったく同じ見解で、まったく同じ対策を行うというようなことになっていたのだ。
ところで、パンデミックの時には、国連の一機関である世界保健機関が、見解を発表し、対策を勧めていたのだけれど、この保健機関は、加盟国の間で民主的に選ばれているわけではなく、民主的な議論がなされるわけでもない。もちろん、良心的に最善の方針を提唱しているということになっているからなのだけれど、実のところは、これもまた出資している人たちの思うままだった。そこでもまた、メディアや政府の保健機関に出資しているのと同じグローバル・エリートたちの名前を見ることになった。つまり、世界保健機関も政府も政府の保健機関もメディアも、すべては同じグローバル・エリートたちの所有物のようになっていて、彼らの思い通りに動いていたということだったのだ。
かくして、自由な西側諸国に属しているはずの国が、事実上まるで共産主義のようなことになっている。誰も自分の意志で決めることができず、上からくる指示に従うしかない。それが、どのような医療を信じるべきなのかといった人権に関わることまでも、一方的に決めてくるような事態にまでなっていたのだ。
いくら民主的なシステムがあっても、すべてがグローバル・エリートの所有物のようになっていたら、共産主義も同じことだ。政治家も裁判所も警察も、何もかもグローバル・エリートたちのお金で動いている。選挙でさえも、メディアや開票システムで操作されていたりする。
そうしたことが、パンデミックアメリカ大統領選を通して、徐々に見えていったのだ。そしてウクライナの戦争が始まったら、それどころか、革命や市民運動まで、グローバル・エリートたちがお金で演出して、政府を思い通りに入れ替えていたことがわかってきた。
特に90年代以降になって、世界中で民族解放運動やら過激派やらの紛争が増えていたのだけれど、あれもほとんどすべてがグローバル・エリートたちがお金をつぎ込んでやらせていたことだったというのだ。それにはアメリカのCIAが深く関わっていた。民族解放運動ということで、過激派に資金を出し、武器を与えて、政府を襲わせていたのだ。警察や司法やメディアもお金で操作して、真実が表に出ないようにしてあった。そして、あたかも政府が市民運動を弾圧するために発砲したかのような話を世界中に広めて、政府に非難を集めさせ、グローバル・エリートの傀儡に入れ替えてしまうのだ。
そんな風にして、あたかも民主化が進んでいったかのように見せかけて、実のところはグローバル・エリートがお金で支配できる体制を広げていったのだ。民主化とか自由経済とかいう名目で、市場をグローバル企業に明け渡させ、すべてをグローバル企業の所有物のようにしてしまう。個人企業はつぶれ、グローバル・チェーンに入れ替わっていく。その結果、もはやほとんどの人がグローバル・チェーンの従業員になってしまい、グローバル・エリートが決めた通りに働かなくてはならなくなってしまうのだ。
世界経済フォーラムも、ミュンヘン安全保障会議も、世界保健機関と同様で、民主的なシステムがあるわけではない。選挙で選んでいるわけでもなく、評決で決定しているわけでもない。それでここでも、結局のところ同じグローバル・エリートたちが独裁支配しているような状況だ。どの戦争が合法で、どの戦争が違法なのかも、結局のところ彼らが決めている。過激派が行なった暴力的な政権交代を、平和的な民族解放運動と判定するのも彼らだし、テロリストの攻撃に対する自衛行為を不当な侵略と判定するのも彼らなのだ。
そして、このグローバリストたちが目指しているのは、グレートリセットという、まさに共産主義そのものの社会だ。すべての人は何も所有せず、幸福になるのだと、世界経済フォーラムのシュワブは言っていた。世界統一政府が世界中の人間を完全支配する世界。これまでもすでに、グローバル企業が独占しているような状況だったけれど、個人所有までなくして、すべてを完全にグローバル・エリートの所有物にしようという計画だ。
これはまったく、多くの人が恐れている「共産主義」そのものだ。人権も自由もない。生産手段もない。自分では何も決めることができずに、すべてが支配される社会だ。それなのに、多くの人はロシアが共産主義だからと、それに対抗してグローバル化を推し進めようとするのだ。それはまるで、共産主義が恐いからと、共産主義に逃げて行っているようなものだ。
ロシアが共産主義だという先入観を外して今起こっていることを見ていると、ロシアはまさにこのグローバル化に抵抗しているようにしか私には思えない。プーチン共産主義者ではないし、グローバリストでもない。彼はナショナリストで、ロシアの主権と独立とを守ろうとしているだけのように見える。保護経済でロシアの自給自足のシステムを作り、守ろうとしているのだ。西側グローバリストたちに入り込まれ、腐敗させられないように、ロシアの経済を守っているように見える。
そこのところを視界に入れるならば、ウクライナの戦争が、ロシアの侵略戦争などではないことが見えてくる。自由経済に行こうとしているウクライナを、共産主義のロシアが引っぱり込もうとしているというような物語を、グローバリストたちは信じさせようとしている。だけどウクライナは、実際のところロシアに対するグローバリストたちの前線のようなものになっているのだ。ウクライナに反ロシアの過激な政権を据えて、対ロシアの生物兵器を開発させている。原発核兵器を密かに作らせているという情報もある。それをグローバリストたちが資金を出してやらせているのだ。
グローバリストが目指しているのは、ロシアが分断して弱体化し、グローバル化から身を守れないようにしてしまうことなのだ。そして、ロシアから主権を奪って、他のほとんどの国と同様に、グローバル・エリートたちの傀儡政権にしてしまうこと。これは、ロシアの主権を賭けての戦いなのだと思う。もしもロシアがグローバリストに敗れたら、グレートリセットという世界共産主義化を防ぐ道はもうなくなるかもしれない。ロシアが共産主義だからと恐れているうち、世界丸ごと共産主義に落ち込んでしまうかもしれない。
ウクライナの戦争が始まってから、いったい何が起こっているのかと思いながら、情報を探っていくうちに、世界を作っている深い構造が見えてきた。これこそはまさに、これまでのマトリックスを作っていたものだ。このマトリックスから出ていくには、これまでの思い込みを捨てて、世界の闇をしっかりと見極めなければならない。その時はもう来ていると、私は思っている。