ダイレクト出版のメルマガより
お世話になっております。
PRIDE and HISTORY事務局の佐田です。
新年明けましておめでとうございます。
(中略)・・・・・・・・
私はここ最近、仕事に関する勉強が
あまりできていなかったので、
「広告」に関する知識を
本やインターネットから学んでおりました。
そこで1つ面白い気づきがあったので、
このメルマガで紹介させていただきます。
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日本人なら誰もが知る偉人・福沢諭吉
現在の一万円札の顔であり、
明治維新期に活躍した教育者として
知られていますが、
実は凄腕のマーケターだったということを
あなたはご存知でしょうか?
「福沢諭吉=マーケター」というイメージは
おそらくお持ちではないでしょう。
しかし、福沢諭吉は
たった1つの広告を作るだけで
その後150年以上にわたって名を馳せる
国内最強の肩書きの1つ:「慶應」ブランドを
築き上げた男なのです。
たった1つの広告が慶應ブランドを有名にした?
一体、どういうことなのか?
別にそこまで難しい話ではありません。
その広告とは、日本人全員が
知っている福沢諭吉の大ベストセラー本
『学問のすゝめ』です。
「もちろん知っているけど、これは本だよ。
広告とは言えないのでは?」
きっと、あなたはそう思われたでしょう。
しかし、よく考えてみてください。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」
この冒頭文から始まるこの本は、
「自ら励んで実学を学ぶべきだ」
というような内容です。
(便宜上、かなり簡潔にまとめました)
これがベストセラーになった結果、
当時の人々は「学問に励むことの大切さ」を
認識するようになりました。
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ここまでが一般的な認識でしょう。
しかし、
"Follow the money”
(お金の跡を追えば本当の歴史が見える)
この西先生の言葉を思い出してください。
では、この『学問のすゝめ』の反響によって
得をしたのは一体誰でしょうか?
それはもちろん、福沢諭吉本人であり、
そして慶應義塾大学でもあります。
『学問のすゝめ』を読んで
「福沢先生すごい!自分も勉強しよう!」
と思った当時の日本人が
最初に想像することは?
当然、福沢諭吉先生本人が創立した
慶應義塾大学で学ぶことでしょう。
このように大衆の価値観を大きく変え、
自分の商品を販売する
(ここでは慶應義塾に入学してもらう)
という、広告の基本的な役割を
『学問のすゝめ』は果たしていたというわけですね。
(ちなみに、私立大学で最初に「授業料」を
取り出したのは慶應義塾大学です)
その後、慶應義塾大学は経営難を経験しながらも
どんどんその知名度を広げていき、
今では「有名大学」といえば
3番目以内には名前が上がるような
名門になりました。
また、慶應義塾は
幼稚舎から大学卒業までにかかる学費が
約2,000万とも言われているのですが……
2022年度の幼稚舎受験の倍率は
11.7倍とのことです。
これだけ大金を教育に投じることのできる
富裕層にこぞって人気な「慶應ブランド」を
築き上げた福沢諭吉は、
凄腕マーケターと言っても過言ではないでしょう。
このように、Follow the moneyという視点で
歴史を見ていくと、面白い事実が見えてきます。
今回は私の個人的な内容になってしまいましたが、
今年も本メルマガでは西先生の貴重な歴史の
研究成果を数多く発信してまいりますので、
楽しみにしていただけますと幸いです。
それでは、本年もよろしくお願いいたします。